こんにちは。以前に技術系公務員として働いていました。
今回紹介するのは、「地方公務員の電気職」についてです。
地方公務員とは、市町村の役所や、特別区の区役所を指します。
※国家公務員に関してはまた後日記事にします
公務員の電気職を進路として考えている人の参考になれば幸いです!
ちなみに、現在は公務員の電気職を退職しました。
退職理由に関してはこちらの記事で紹介しています。
公務員の電気職になるために必要な資格は、こちらの記事で紹介しました!
目次
地方公務員技術職!国家公務員との違いは何?
公務員には、「国家公務員」と「地方公務員」があります。
国家公務員は、国を動かすようなスケールの大きな業務をします。
たとえば省庁や税務署、裁判所などの職員がそれに当たります。
対して地方公務員は、地域に密着した業務をベースにおこないます。
住民の生活を支えるような行政サービスに携わっています。
たとえば都道府県庁、市役所、特別区(東京23区)の職員がそれに当たります。
公務員の中でも、専門分野を生かし、技術系の職務をおこなうのが公務員技術職です。
これには区分があり、専門ごとに「電気・土木・建築・機械」などに分類されます。
事務職の公務員は文系が主ですが、技術系は理系出身の人がほとんどです。
そういう背景もあり、技術系公務員を「理系公務員」なんて呼んだりします。
本記事では、この「地方公務員技術職」の中でも「電気職」を取り上げて紹介します。
地方公務員電気職の仕事は?職場の配属は三種類!
地方公務員技術職の中でも、電気職に絞ってその業務内容を紹介していきます。
電気職の仕事は、大きく以下の3つに分類できます。
・公共施設の営繕業務
・浄水場、下水処理場での業務
・清掃工場での業務
それぞれについて、業務内容を詳しく説明します。
公共施設の営繕ー電気工事の知識が必要!
電気職の仕事の1つ目は「公共施設の営繕業務」です。
とりあえず「営繕業務って何?」と思われる方もいるでしょう。
「営繕」とは、「建築物の営造と修繕」のことをいい、具体的には、建築物の新築、増築、修繕及び模様替のことをいいます。(wikipediaより引用)
つまり、営繕とは建物を新しく建てたり、修理したりすることをいいます。
こと地方公務員の業務は、市町村や区が持っている公共施設の営繕が主となります。
市町村や区が所有する施設とは、たとえば学校や公民館、図書館などです。
建物の中でも、電気職は照明やコンセント、それに至る配線などの電気設備を担当します。
公共施設の営繕では電気職以外にも、建築職や機械職の人も一緒に仕事をします。
・建設職…建物本体
・機械職…空調や水道設備、厨房機器など
・電気職…照明やコンセント、配線など
具体的な役割分担は、このようになっています。
この三種類の専門職でチームを組み、工事の計画を立てていきます。
次に、具体的な仕事の流れについて説明します。
営繕業務の主な流れは、
「設備の設計⇒工事費用の積算⇒工事の監理⇒完成品の検査」
となります。
それぞれについて、簡単に解説します。
電気設備の設計
実際にどのような工事をするのか、それを伝える図面を作成するのが設計です。
電気設備の設計では、たとえば次のようなことを考えます。
・照明の種類はどうするか(蛍光灯にするか、LEDにするか…等)
・コンセントの数や位置はどうするか
・ブレーカーや配線などの電気系統はどうするか
これらの情報を、部屋の間取りが書かれた図面上に落とし込んでいきます。
図面はCADと呼ばれる製図ソフトを使用しておこないます。
この図面を基にして、工事業者に工事を発注します。
工事費用の積算
実際に工事の費用がいくらかかるかを検討するのが積算です。
設計図を参考に、そこに書かれている配線や照明などの長さ、個数を1つずつ数えます。
それをもとに、工事全体にかかる費用を計算します。
お金が絡む仕事なので、間違いがあると大変です。
地道ですが、大きな責任が伴います。
工事の監理
工事業者が円滑に工事をおこなえるよう監督・指導するのが工事監理です。
前述した設計で作成した図面を基に、工事業者が工事をおこないます。
公務員の仕事は、その工事がスムーズに進むよう、工事監理をすることです。
具体的には、業者とのミーティング、進捗の確認や、工事方法の指導などをおこないます。
工事の指導をするので、当然ながら電気工事の知識が求められます。
完成品の検査ー工事竣工前のすべての集大成!
工事で完成した設備が、図面通りできているか、一定の品質を満たしているかチェックするのが検査業務です。
この検査に合格して、晴れて工事が完了となります。
以上が営繕業務の主な仕事内容です。
浄水場、下水処理場ーインフラを支える大事な仕事!
地方公務員電気職の仕事の2つ目は「浄水場、下水処理場の業務」です。
都道府県庁、市役所では浄水場、下水処理場での勤務になる場合があります。
ここでの主な仕事は、「運転管理、設備の保守点検、設備の更新・修理」です。
それぞれの業務について、解説します。
運転管理
浄水場、下水処理場にある装置の運転や、監視をするのが運転管理です。
たとえば下水なら、流入量が増えすぎるとマンホールから噴き出してしまいます。
したがって、水道や下水の流入量の時間変化を常に監視する必要があります。
また、浄水場では蓄えている水の水質監視の仕事があります。
必要に応じて、有害な成分を除去する薬品を加えることで、基準をクリアした安全な水を作ります。
こういった仕事を、一日を通して交代でおこないます。
もちろん上下水道は24時間動いているので、シフトによっては夜間の勤務もあります。
保守点検
浄水場、下水処理場の設備に異常がないかの保守点検業務も大事な仕事です。
浄水場、下水処理場にはポンプをはじめ、さまざまな設備があります。
それらを1つ1つ巡視したり、実際に動かしてみて異常がないかチェックします。
異常が見つかった場合は、次項で述べる修理や、メーカー手配をします。
そうすることで、常に安全な設備の状態を保ちます。
保守点検というと地味なイメージですが、とても大切な仕事です。
設備の更新・修理
前述した保守点検で異常が見つかった設備の修理や、取り換え手配をします。
軽微な故障に関しては自分たちで修理をおこないますが、更新や復旧が難しいものに関してはメーカーに依頼します。
その場合は、前述した営繕業務のフローと似たようなことをします。
具体的には「設備の設計⇒工事費用を積算⇒業者に工事の手配」という流れです。
以上が浄水場、下水処理場での主な仕事内容です。
清掃工場ー夜勤業務があるのが特徴!
清掃工場とは、俗にいうゴミ処理場のことです。
清掃工場でも、前述した浄水場と同じように、
「運転管理、設備の保守点検、設備の更新・修理」
の業務をおこないます。
それぞれについて解説します。
浄水場の項と被る内容が多いので、ざっくりと説明します。
運転管理
ごみを焼却炉へ運ぶクレーンを操作したり、きちんとごみが燃えているかをモニターで監視したりします。
清掃工場は24時間動いており、基本的には2交代制で勤務することになります。
設備の保守点検
清掃工場にあるさまざまな設備の点検やメンテナンスをします。
清掃工場では大量にごみを燃やしたり、排気ガスを発生させたりするので、安全管理がなによりも大切です。
設備の更新・修理
古くなった設備を取り替えたり、補修をしたりします。
自分たちで修理できないものに関しては、浄水場や下水処理場で説明したのと同様に、メーカーなどに修理を依頼します。
技術系公務員はホワイトで安泰?それとも激務?
何人かに聞いた話を総合すると「ホワイト」だと思います。
まあこれは自治体にもよるのでしょうけれど、事務系と比較して残業は少ないそうです。
あとは何といっても、電気職は他と比較して住民とのやり取りが少ないです。
そういった理由で、体力的にも精神的にも楽であるといえそうです。
あと「公務員は仕事が単調でつまらない」とよく揶揄されますが、
技術系公務員は、専門的な仕事が多いこともあってそのようなことはありません。
日々仕事を通して色々な技術に触れ、刺激的な毎日を送ることができるでしょう!
同じように「ホワイト」の代表格としてあげられるインフラ企業。
前職の経験から電力会社のお給料や福利厚生について書いた記事はこちらです!
終わりに
地方公務員電気職の仕事内容を紹介しました。
同じ電気職でも、働く場所や、その業務内容はさまざまです。
地方公務員電気職を志望する際の参考になれば幸いです。
公務員技術職の面接対策についてはこちらの記事で紹介しました!