こんにちは。元電力会社社員です。
電力会社時代、とてつもない時間の残業をしていました。
その中には「サービス残業」もかなりの時間含まれていました。
当時の社内ではなぜ、サービス残業が横行してしまっていたのでしょうか。
今回の記事ではその理由について、自身の会社で見聞きした実体験を基に紹介します。
電力会社のブラックさに関しては、こちらの記事で紹介しました。
目次
電力会社の残業時間の上限は?36協定の例外はある?
私が勤めていた電力会社では、残業時間は「月45時間・年360時間」が基本でした。
これは「36協定」という労働基準法に基づくルールに遵守してます。
これは余談ですが、例外もあります。
月45時間の上限が適応されるのは「通常業務のみ」に限られます。
電力会社での非常災害対応については、このルールが適用されません。
したがって、この場合は月45時間を超えて残業をすることができます。
電力会社の非常災害対応については、こちらの記事で紹介しました。
実際の残業事情は?サービス残業はある?
電力会社でこの36協定のルールは守られているのでしょうか。
実際のところ、自分の職場では全くと言っていいほど守られていませんでした。
理由の1つとして、通常業務の業務量が膨大で、月45時間の36協定に収まらなかったことが挙げられます。
私が所属していた電力会社の配電部門では、人手の不足が深刻でした。
膨大な仕事量に対し、それをこなす社員が足りないため、不足している人員を残業でカバーするしかありませんでした。
(人手が足りなくなった理由の1つには、震災で電力会社の経営が悪化し、社員数の削減を強いられたことが挙げられます)
当時の残業時間は、毎月100~150時間程度にも上りました。
36協定の45時間を除いた分は、当然ながら、サービス残業です。
しかし、上司や同僚も「サービス残業をするのが当たり前」という認識のため、それに対して異を唱える人は誰もいません。
電力会社の残業管理の仕組みは?PCのログで管理!
私が勤めていた電力会社の、残業時間の管理の仕組みについて説明します。
「仕事で使用する個人用パソコンのログオン時間」で管理されていました。
社員それぞれが使用しているパソコンに起動時間のログが残る仕組みで、それを基に残業時間を管理します。
一見すると、サービス残業を抑制する合理的なシステムに思えます。
しかし、実際はさまざまな抜け道が用意されていました。
方法の1つに、自分の会社では「パソコンを起動したが仕事はしていない」という申請を出すことで、ログオン時間に関係なく無限にサービス残業をすることができmした。
以下の内容をツイッターで呟いたところ、多くの共感が得られたので、他の電力会社でも同じようなことをやっているようです。
https://twitter.com/中の人_3y/status/1357538228014747648
その他「サービス残業をするときは、パソコンを使わずにできる仕事をする」というのもメジャーな対策の1つでした。
今になって思うと、かなりブラックです。
しかし、当時は「サービス残業をするのは当然」と思っており、それに異を唱えることはありませんでした。
残業代が全くつかない職場もある!上司による!
しかし、36協定の上限まで残業を付けられる分、自分の職場はマシでした。
電力会社の同期が配属された職場の中には、残業を全くと言っていいほど付けさせてくれないところもありました。
聞くところによると、その職場では残業がつく上限が「月5時間まで」だったそうです。
管理職からの命令で、そのように決められます。
実際はそれで業務が終わる筈もなく、100時間近いサービス残業をしていました。
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。
理由の1つとして「管理職の人事評価を上げるため」というのがあります。
自身が管理する部署の残業時間が少ないと、
人事にはこう映るため、管理職の人事評価が上がり、出世し易くなります。
その一人のために、その職場にいる部下全員が犠牲になります。
あり得ないと思うかもしれませんが、自分の会社では決して珍しくないことでした。
今になっておかしいと気づきましたが、当時は自分も周りの同期も「はずれの上司に当たったな」くらいにしか感じていなかったのが恐ろしいです。
終わりに ー 残業代がつくのが当たり前ではなかった
電力会社のサービス残業の実態について書きました。
今になって考えると、とてつもなくブラックな環境でした。
しかし、当時はそのおかしさに気づくことができませんでした。
・周りの社員も「それが当たり前」という風潮だったので、そういうものだと納得してしまった
・残業で疲弊しすぎて、サービス残業の是非について考える余裕がなかった
理由はこんなところでしょうか。
今になって考えると「本当に恐ろしい職場だった」そう思います。