はじめまして。某電力会社の三年目社員として働いています。
学生のころ、電力会社に内定をもらったときは本当に嬉しかったのを覚えています。
しかし、今はもう仕事を辞めたくて仕方がないです。
そんな自分が、そう思うに至った経緯を紹介します。
目次
入社前のイメージは電力会社=楽+安泰+エリート
電力会社って仕事は楽で、お給料も良い最高の会社だ!
そう思い、新卒で某電力会社の配電部門に入社したのが二年前。
当時、「電力会社=ホワイト」というのはネット上の一部でよく囁かれていました。
そのような「まったり・高給」を期待し、この会社に就職しました。
しかし、それは全くの勘違いであったことを、入社してから知りました。
少なくとも、私が所属することになった「配電部門」に関しては。
配電部門の仕事内容は?現場の業務が中心
入社して、自分が配属されたのは「配電部門」と呼ばれる部署でした。
まず「配電部門とは?その仕事内容は?」というお話をしたいと思います。
※仕事内容なんかに興味はないよ!という方はこの項を読み飛ばしてください(笑)
電力会社は、仕事の管轄によって、さまざまな部門に分かれています。
・火力部門…火力発電所を扱う
・原子力部門…原子力発電所を扱う
・変電部門…変電所を扱う
・配電部門…電柱や電線などを扱う
たとえば、このような感じです。
私がいる配電部門は「電線や電柱」など、最も身近にある設備の管理をする部門です。
・電柱や電線の工事計画や図面の作成
・電柱を建てる際のお客さんとの土地使用の交渉
具体的な仕事内容は、こんな感じです。
超ブラックだった配電部門!早く退職したい……
この章では、配電部門がいかにブラックであったかをお伝えします。
いや、もうこれ以上ない劣悪な環境でした。本当に最悪です。
入社前に抱いていた「まったり・高給」というイメージとはかけ離れていました。
代表的なものを4つピックアップして紹介します。
残業が非常に多い:まったりではなく、むしろ激務です
「インフラ系企業=会社同士の競争がないため、残業が少ない」
そう思いますよね。
実際は全然そんなことありません。残業はめちゃくちゃ多いです。
今の自分を例に出しますと、毎月100〜150時間ほど残業しています!
(繁忙期のみというわけではなく、年中この数字です)
「電力会社=残業が少ない」と思っていたので、はじめは度肝を抜かれました。
今の自分は、平日は毎日終電まで残業、休日も毎週出勤しています。
自分だけでなく、ベテラン社員や、他の営業所の人も同様に残業地獄に陥っています。
ある日の同期とのLINEのやり取りです。
どうして、これほどまでに残業が必要なのでしょうか。
今の電力会社は、人手が大幅に不足しているからです。
この背景には、震災後に社員数を大幅に削減したことが関係しています。
ちなみに、電力会社はコンプライアンスには非常にうるさいです。
したがって、表面上は「36協定」をきちんと守ります。
・36協定…1ヵ月の残業時間を45時間以下にするきまり
ととのつまり、残業代は毎月しっかり45時間分までしか支払われません。
それ以上の超過分は、全てサービス残業です。
それでも、社員の間では「それが当たり前」という共通認識です。
したがって、誰も文句も言わず、サービス残業に勤しみます。
それで表面上は仕事が回ってしまうため、人員が増えることもありません。
当然ですが、有給もほとんど使うことができません。
有給の使用回数より、休日にサービス出勤をした回数の方が圧倒的に多いです。
なお、この状況は今後更に悪化すると思われます。
昨年から本格的に始動した「電力自由化」が原因です。
これにより経営が厳しくなり、社員数を減らすことが予想されるからです。
想像しただけでも恐ろしいですね。
ところで、電力会社には休日や深夜の呼び出しがあります。
こちらも残業時間を大幅に増やす要因になっています。
こちらの記事で紹介しています。
前時代的な体育会系の職場:電力会社は高卒社員が多い!
2つ目は、職場に古い体育会系の気質が蔓延していることです。
配電部門は「超」がつくほどの体育会系の職場です。
理由の1つとして、配電部門の社員構成が挙げられます。
配電部門社員は、スポーツで活躍した高卒の人を中心に採用されます。
そのような環境で、体育会系の気質になるのは必然でしょう。
(ちなみに自分の同期は、大卒:高卒の比率が1:5くらいです)
年配の社員は、体育会系の良くない面が表出化します。
彼らの多くは感情で行動し、論理的なことを嫌います。
口癖は「お前はやる気がないからできない」「根性で乗り切れ」などです。
こちらが悪いか否かに関わらず、急に怒鳴られることも少なくありません。
罵声や暴力といった、パワハラまがいの前時代的なこともおこなわれます。
そんな上司への対処法はこちらの記事で紹介しました。
そんな中、もっとも厄介なのは「大卒を目の敵」にしている人。
彼らの口癖は「大卒なのに、そんなこともできないのか」です。
こういう高卒上司が、配電部門には少なくありません。
(大卒は同じ仕事をしても高卒より早く出世するので、嫉妬はやむを得ないのかもしれませんが……)
運悪く、配属先で彼らのような人に当たると、最悪です。
現にそういった「大卒いじめ」が苦で退職した同期もいました。
電力会社の体育会系気質を表すエピソードとして、新人研修の内容を紹介しています。
つまらない仕事内容:単純作業が多く、やりがいが皆無
3つ目は、仕事が単調で面白みが全くないことです。
「電力会社の仕事は誰でもできる定型業務ばかり」
ネット上などでは、このように揶揄されることがしばしばあります。
実際、その通りだと思います。
自分の仕事も、誰がやっても同じ結果の、頭を使わない内容です。
一度パターンを頭に入れてしまえば、あとはただの作業です。
脳がどんどん退化していく、そんな感じがします。
ちなみに、配電部門では高卒社員も大卒社員も、基本的に同じ仕事に従事します。
配電部門の仕事は、間違いなく電力会社に入社できるレベルの大学を卒業する人が従事する仕事ではありません。
電力会社の大卒社員は高学歴集団です。こちらの記事で紹介しました。
勤務地が田舎:遊ぶ場所がなく、退屈な日々
電力会社の職場は、田舎の僻地が多いです。
配電部門の職場は、基本的は各都道府県に点在する「営業所」です。
(新人はほぼ営業所からのスタートで、出世すると「支店」や「本店」と呼ばれる場所に配属されます。)
この営業所は、都道府県全体をカバーしなければならない特性上、かなりの田舎に存在するものもあります。
支店や本店は、それぞれの都道府県の中心地にあります。
しかし、実際に支店や本店に行けるのは、入社から10年近くたった後です。
電力会社に入社する場合は、10年間は僻地で過ごす覚悟をしておいた方がいいでしょう。
全く娯楽がない田舎で、20代の貴重な時間を過ごす損失は計り知れません。
以上が、わたしが電力会社を辞めたいと思っている理由です。
これは自分が勤めている電力会社の話になりますが、他電力の友人に話したところ、
と言っていたので、この異常性は自分の会社に限った話ではないと思われます。
配電以外の部門はホワイト?人気の部門は?
では「電力会社の他の部門はどうなの?」という疑問にお答えしたいと思います。
結論「配電と原子力部門以外はそこそこホワイト」だと思います。
他の部門に関しては、後日記事にする予定です!
終わりにーなるべく早く辞めたいと思います
入社前
入社後

そんな電力会社の配電部門は、残業をたくさんして自分を鍛えたい人か、高卒の体育会系のノリが好きな人だけが行けばいいと思います。
そんな人は稀なので、実際配電の大卒同期は皆入社したことを後悔していますし、何人かは転職活動の最中で、既に退職した人もいます。
自分もその中の一人で、今の職場に不満しかないので近々辞めるつもりです。
・2018/10/14追記

ついに電力会社を辞める決心がつきました。退職の体験談を記事にしました。