こんにちは。元電力会社社員です。
先日こちらの記事で「電力会社の社員は超高学歴!」と紹介しました。
今回は、部門ごとの学歴の傾向をまとめてみました。
入りやすい部門、入りにくい部門などについて紹介できればと思います。
大学のランクの他、大卒と高卒の割合についても触れていきます。
目次
部門と学歴や学科の違いを紹介!大卒が多い部門は?
各部門ごとに分けて、学歴の傾向を紹介していきます。
あくまで傾向であり、すべてがこの通りはないということを踏まえた上でご覧ください。
事務系(営業、用地、燃料など):主に文系が採用される
事務系の部門は、基本的には文系の方が採用されます。
社内では出身大学のレベルはかなり高い方です。
なぜなら電力会社では、理系よりも文系の方が選考が厳しいからです。
これには「文系の枠が少ないのに、応募者が多い」ことが関係しています。
大卒・高卒の比率でいうと、事務系の同期の半数くらいは高卒社員になります。
高卒の割合が多いメリットは、大卒の人にとっては出世しやすいことが挙げられます。
また、技術職は男性がほとんどを占めますが、事務職は女性が結構います。
そういう背景もあり「電力会社の事務職女性×技術職男性」の合コンがよく開かれていました。
配電、変電、送電部門:高卒や高専卒の割合が多く体育会系
次に、配電など電気を供給する部門です。
社内では出身大学のレベルは下の方です。
理由の一つとして、これらの部門は人が多いことが挙げられます。
「採用数が多い⇒倍率が低くなる⇒全体のレベルも下がる」という訳です。
したがって、部門は問わないが電力会社に入社したい人に取っては、これらの部門はおすすめであると言えます。
(とはいっても、旧帝大レベルなら普通にいますが……)
大学の学科は電力系が多いですが、割と多種多様に、様々なところから採用しています。
情報や電子をはじめ、電気に全く関係がない材料系、物理学科もいました。
ところで、これは技術系部門全体に共通して言えるのですが、大学院卒が非常に多いです。
過半数は大学院卒の社員、と言っても過言ではありません。
ただし、学部卒の人も一定数います。
さて、大学について色々書いてきましたが……。
実は、これらの部門は、工業高校や高専卒の社員が大多数を占めます。
自分のとき(配電部門)は大卒1に対して高卒5、という割合でした。
そういう背景もあり、職場での大卒の肩身はそれはとても狭いです。
(ただ高卒や高専卒といっても、学校では上位の成績を収めてきた優秀な人が多いです)
また、前述したように、これら技術系の部門は男性が多く、9割近くが男性社員です。
しかし、時代の背景もあり、女性採用を積極的におこなっています。
女性ならば、これらの部門はかなり入社しやすいのでおすすめです。
(これは2社の電力会社の人事に聞いた、確かな情報です)
ところで、大卒での配電部門の入社は絶対にお勧めしません。
詳しくは、こちらの記事で紹介しました。
(大卒で入社するなら送電や変電部門の方が絶対おすすめです!)
火力部門:現場は高卒が多いが大卒や院卒のレベルも高い
次に、火力部門です。
社内での大学レベルは、そこそこ高い方です。
関西電力、中部電力ならば、旧帝大以上でないと入るのは厳しいと思います。
出身学科は機械、電力、電子を学んできた人が大多数です。
また、前述した配電や送電部門と同様、火力部門も高卒社員が多く在籍します。
割合は配電部門等と比べると、そこまで多くもありませんが。
通信、系統部門:花形部門のエリート出世コース
出身大学レベルはかなり高いです。
そもそもこれらの部門は採用自体がかなり少なく、狭き門です。
少数精鋭の部門といえるでしょう。
専門性を求められる業務内容なので、電気や情報系の学科を卒業した人がほとんどです。
これらの部門は「ほぼ大卒社員で構成されている」のが大きな特徴になります。
高卒の社員はほとんど見受けられません。
水力、土木部門:専門職なので大学の学科が重要
出身大学のレベルで言うと全体の真ん中くらいです。
こちらも専門性を持った人が多く、土木系や建築系の学科を卒業した人が多いです。
技術系部門の中では「女性の割合が多い」という特徴があります。
原子力部門:どこも新入社員の確保に一苦労している
震災の影響により、どの電力会社も採用人数の確保に苦労している部門です。
あまり馴染みのない大学出身の人もいたりします。
学科も原子系にとらわれず、全く畑違いの分野を学んできた人も採用されます。
自分のときは文系や防衛大出身の人もいました。
そんな原子力部門ですが、関西電力や中部電力では、東大京大が一定数います。
これは聞いた話ですが「東大京大の原子系の研究室からの就職ルートがある」そうです。
終わりに
電力会社の部門と社員の学歴について紹介しました。
就職活動をする方などの参考になれば嬉しく思います。